ラッフルズ 1887
アンドレア・フォルトゥナは、Raffles The Palm Dubaiが擁するフランチェスコ・モロンの家具の管理人であり、ホテルの重要人物です。30年以上にわたるキャリアを持つ彼は、熟練した大工であるとともに、木工および家具製造業界の経験豊富な運用管理者でもあります。職人技への細心のアプローチと仕事への情熱により、家具マイスターの称号を受け、200㎡のホテル内工房を監督している彼に、典型的な1日について話してもらいました
午前7時45分
ホテルに到着したら、1日の準備を行います。まず前日の作業をチェックし、きちんと仕上がっていることを確かめてから、新しい依頼を確認するようにしています。
ホテルには70,000点を超えるフランチェスコ・モロンの家具があり、椅子や鏡、木彫りの洋服掛けなど、そのほとんどが手彫りの一枚板と本物の金銀箔を使ったものです。面白いことに、一つとして同じものはなく、すべてイタリアで手作業で作られたという感触があります。大量生産の対極にあるものです。我々の目標は、すべてを完全な状態に維持し、必要であれば本来の状態に修復することです。午前9時頃にチームと朝のブリーフィングを行い、その日の作業を割り当てます。
午前9時30分
チェックイン時間の前に客室の状態を整えることを最優先して、担当の作業を開始します。たいていは午後2時頃まで作業を続けてから、昼食休憩を取ります。常勤の職人3人のチームとともに、これまで身に付けてきた技能を活かして仕事に取り組んでいます。私はイタリアのヴィチェンツァに生まれ、父親の小さな工房で仕事を覚えました。機械工学の学位を取得後、家族工房の一員として、家具の修理と注文製作を手がけました。この期間に技能を磨き、工芸事業を営む上で貴重な経験を積みました。
午後2時30分
短い昼食休憩を取った後、工房で対応できる椅子などの家具の修復や塗り直し、調整を3時間ほど続けます。作業の約80%が、今ある家具の修復です。ドバイの暑さはそれほど家具に影響を及ぼしませんが、湿度は木の膨張や収縮を引き起こし、特に家具の接合部分にひび割れが生じる原因になります。また、かびが発生して金箔が緑色に変色することもあります。これを防ぐにはメンテナンスが重要です。環境の湿度も監視しています。
金箔と銀箔の作業は自分自身で行うことが多いです。以前、私は高級住宅や豪邸向けの家具製作を専門としており、建築家と密接に連携して高品質な特注プロジェクトを手がけていました。Raffles The Palm Dubaiが目指す細部へのこだわりと卓越性については、よく理解しています。
午後5時30分
客室を見て回り、家具を点検して、要修理のフラグが付いていたものがすべて修繕されていることを確認します。これには1時間半ほどかかることもあります。また、私たちがどんな仕事をしているのかについて理解を深め、細かい作業を間近で見てもらえるよう、宿泊客向けのワークショップ体験も準備しています。
午後5時30分
私たちは、配管工、電気工、その他のメンテナンススタッフからなる広範なエンジニアリングチームの一員です。24時間体制の業務であり、サポートすることが私たちの任務ですから、残業になることもあります。リーダーという立場から、これは私たちの責任の一部だと考えています。
世界各地のラッフルズにさまざまなかたちで存在するラッフルズ キュレーターは、自らのスキルと知識を通じて、お客様とコミュニティとの真のつながりを深めています。